
- 今まで大丈夫だったのに、急に唸るようになった
- 自分にだけ噛みそうになるのが怖い…
犬が飼い主に唸る・噛む行動を見せると、不安やショックを感じる方は少なくありません。
しかしこの行動は、攻撃性=悪い性格ではなく、犬なりの理由やメッセージが隠れていることがほとんどです。
この記事では、
- 犬が飼い主に唸る・噛む本当の理由
- 見極めるポイント
- 今日からできる改善策
を、行動学の視点でわかりやすく解説します。

犬が飼い主に唸る・噛むのはなぜ?

「唸る」「噛む」は怖い行動?
犬の唸りや噛みは、いきなり攻撃したいから起こる行動ではありません。
- 「近づかないでほしい」
- 「それは嫌だ」
- 「怖い・不安だ」
といった防衛本能と意思表示の一種です。
唸りは「これ以上は無理」という最後の警告サインであり、無視すると噛みに発展することもあります。
飼い主にだけ見られるケースが多い理由
実は、唸りや噛みが飼い主にだけ向くケースは珍しくありません。
その理由は、
- 接触頻度が圧倒的に多い
- 抱っこ・ケアなど身体に触れる機会が多い
- 犬が「本音を出せる相手」だから
という、関係性の深さにあります。
主従関係の問題ではなく、「安心して感情を出せる相手だからこそ起きる」ことも多いのです。
病気と行動の違いを見極めるポイント
行動の変化が急な場合、病気や痛みが隠れていることもあります。
- 触ると嫌がる場所がある
- 元気・食欲はあるが機嫌が悪い
- 高齢犬で急に唸るようになった
こうした場合は、しつけ以前に体調チェックが最優先です。
犬が飼い主に唸る・噛む主な原因5つ

痛み・体調不良が背景にある
犬は痛みを隠す動物です。
- 歯周病
- 皮膚炎
- 関節痛・腰痛
などがあると、「触られた瞬間」に唸ったり噛もうとすることがあります。
恐怖・不安・ストレス
犬は過去の経験と結びつけて反応します。
- 大きな音
- 急な動き
- 嫌な体験をした場所や姿勢
これらが引き金(トリガー)となり、防衛的に唸ることがあります。
望まない接触への拒否反応
人にとって普通でも、犬にとっては負担な接触もあります。
- 長時間の抱っこ
- 押さえつけ
- 嫌がる部位(顔・足先)への接触
「嫌だよ」というサインを無視すると、噛みで伝えようとすることがあります。
リソースガーディング(ものを守る行動)
食べ物・おもちゃ・寝床など、大切なものを守る本能によって唸るケースです。
- ご飯中に近づくと唸る
- 寝ているところを触ると怒る
これは「わがまま」ではなく、犬として自然な行動です。
しつけルールや対応の一貫性不足
- ある時は許される
- ある時は怒られる
このように対応がバラバラだと、犬は混乱しやすくなります。
混乱や不安が高まると、防衛行動として噛みが出ることがあります。
犬の攻撃行動は、恐怖や不安、過去の経験などが関係して起こることが多いとされています。
詳しくは獣医療の犬の攻撃行動の診断と概要(VCA Animal Hospitals)の解説も参考にしてみてください。
飼い主に唸る・噛む行動を改善する対策5選

病気や痛みを疑う → まずは健康チェック
行動改善の第一歩は、身体的な原因を除外することです。
- 獣医師による診察
- 触って嫌がる部位の確認
- 高齢犬なら認知症チェック
「行動の問題」と決めつける前に、必ず体を確認しましょう。
「怖くない・安全」を学ばせる接し方
犬に近づくときは、
- 正面から急に近づかない
- 目線を下げる
- ゆっくりした動作
を意識します。
安心できる接し方の積み重ねが、唸りの減少につながります。
ルールを統一したしつけで「正しい行動」を強化
噛まなかった・唸らなかった瞬間を見逃さず、
- 優しく声をかける
- おやつで褒める
など、望ましい行動を強化します。
叱るよりも「成功体験」を増やす方が効果的です。
噛むタイミングを回避(刺激を変える)
噛みが起きる状況には、必ず共通点があります。
- 抱っこの仕方
- 触るタイミング
- 時間帯
トリガーを避けながら、「噛まなくても大丈夫な場面」を増やしていきましょう。
専門家(トレーナー・行動療法士)への相談目安
以下に当てはまる場合は、早めの相談がおすすめです。
- 噛みが激しい・出血する
- 子どもがいる家庭
- 改善が見られない
専門家の個別指導で、安全に改善できるケースは多くあります。
犬が飼い主に唸る・噛むときの疑問と対処法(Q&A)
Q1. 飼い主にだけ唸る/噛むのは性格のせい?
A.いいえ。
多くの場合は一時的な行動反応や学習の結果で、性格そのものではありません。
Q2. 怒る・叱ることで改善する?
A.叱ると一時的に止まっても、恐怖が強まり、噛みが悪化することが多いためおすすめできません。
Q3. 子犬と成犬で対応は違う?
A.子犬は学習修正が早く、成犬でも正しい対応を続ければ改善は十分可能です。
Q4. 噛む兆候を見逃さない観察ポイントは?
- 体が固まる
- 視線をそらす
- 低く唸る
- 歯を見せる
これらは噛む前の重要なサインです。
まとめ|犬が飼い主に唸る・噛む原因と改善の考え方

犬が飼い主に唸る・噛むという行動は、
- 痛みや不快感
- 恐怖・不安
- ものを守る心理
- しつけルールの不一致
など、複数の要因が重なって起こります。
改善のためには、
- ➡ 原因を見極める
- ➡ 飼い主の接し方を見直す
- ➡ 望ましい行動を強化する
ことが大切です。
ただ叱るのではなく、安全・安心を感じられる関係づくりを意識することで、少しずつ信頼関係は取り戻せます。